怠惰な妖精のメモ帳

人生をもっと自由に生きやすく。

メロンソーダ色だったらいいのに

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毎年、誕生日にはいちごが届く。

 

文字面だけみたらなんだかメルヘンで可愛い。

年によってはメロンのときもある。

 

私は東京で一人暮らしをしているのだ。さあさあ祝ってやらん!とも言いたげにいちごは4パック、メロンなら3玉届く。…まあ確かに『ちょっとだけ』を送るのも難しいかもしれないけれど……とてもじゃないが食べきれない。

 

送り主は父親の従妹、私からするとハトコである。(いちごやメロンは地元の名産)

 

そして、大問題なのがいちごもメロンもそんなに好きではないということだ。

食べれなくはない、1粒ならおいしいと思う、ケーキに乗ってるのも食べられる、でも喜ぶほどに好きではない。正直普通よりちょっと下くらい。なんなら調べてないけど多分メロンはアレルギーだと思う。量を食べると喉がイガイガしてくる。柑橘類なら大好きなんだけどなあ。

 

毎年、少しだけ食べて会社の人にあげている。会社の人達はとんでもなく喜んでくれるので、そうかあこういう反応だよなあと少し反省する。

 

 

30歳になった今でも、この事実をハトコに伝えられていない。

 

 

小学生の頃、近所に住んでいるおばあちゃんが居た。他人行儀だけれど父方の祖母の姉妹なのでれっきとした血縁者である。このおばあちゃんの介護に、岡山で暮らしていた娘が帰ってくることになった。冒頭のハトコである。

 

当時、10歳そこらの私はというと、田舎の小学生らしくとんでもなく暇だったし、コミュ力が大人に対しては振り切っていた。ちなみに同世代に対してはまるでダメだった、ていうか毎日男子とサッカーしかしてなかったので女子と遊んだ記憶が小5まで一切ない。

 

我が実家も信じられないほど田舎なんだけど、そのさらに山奥にあるおばあちゃんの家(こちらは親戚でもなんでもない野生のおばあちゃん)に結構な頻度で遊びに行ってはコーヒーとお菓子を頂きながらお喋りしたり、近所の高校生のお姉さんの家に遊びに行ってはジェンガなどをして遊んでもらっていた。思い返せばお姉さんは県内有数の進学校の制服を着ていた。数年後、自分も同じ制服を着て軍隊みたいに勉強させられたのを思い返すと、当時の悪行に震える。クソガキ邪魔すぎる。お姉さんが第一志望の大学に合格して幸せになっていることを祈るしかない。

 

クソガキでありマセガキでもあったので、前者に関しては、暇してるおばあちゃんの話し相手になっているなあ。ボランティア精神でいいことをしてるとすら思っていた。そんな自覚のある子どもは嫌だ。可愛げがない。後者は全くもって反論の余地もなく本当に申し訳ない。

 

そんな対大人限定のコミュ力おばけであったので、当然、ハトコが帰ってきたそのお家にも毎日のように入り浸るようになった。

ハトコが大好きで仕方がなかった。

 

ハトコは太陽みたいに明るい人だった。

 

美人だったしよく笑う人だった。人の悪口は言わないし、自分ならばムカッとしたりつらいと思うようなことも、意に介さず。笑い飛ばしていれば腹も立たないというようなことを幼い私に教えてくれた。(知っていることとできることは別物なのでそれから向こう20年そのようには生きれていない。)

 

旦那さんは信じられないくらい亭主関白で、1汁5菜、10時にお茶まで出させていた(のでクソガキの私は自分でやれやジジイと思っていた)けど文句ひとつ言わなかった。そればかりかそれを自分の心一つで楽しむ方法を知っていた。

田舎はジメジメした人しかいないので(そんなことはないこともないこともない)ハトコみたいな人は珍しかった。

 

そんな人、好きにならないはずがない。学校から帰ったらすぐさまおばあちゃんの家に行き、日が暮れたら家に帰るを繰り返していた。

よくもまあ人の家にあんなに毎日長時間居たな、ゲームだってないのに。あと親もよく止めなかったな。

 

結局、数ヶ月しておばあちゃんが亡くなり、ハトコは旦那さんの新しい転勤先の京都に行ってしまう。 (勿論おばあちゃん家通いもそこでおしまい)その後もなにかと気にかけてくれ、夏休みには何度か京都に呼んでくれた。出来て数年のユニバーサルスタジオジャパンにも連れて行ってくれた。

離れていても、一定のペースで連絡を取り合う間柄になった。

 

 

考えてみると、その頃から毎年わたしの誕生日には何か贈られてくる。30歳になった今日まで。

ただ、祝うことは簡単だけれどそれを毎年続けることの崇高さに気付いたらたまらなくなった。それも娘でもないちょっと遠いの親戚の子によ。

 

大人になってなお凄さを知る。

子供のときに一度尊敬して、大人になってまた尊敬した人は人生でこの人だけかもしれない。

 

血で性格が決まるだとか能力が決まるとか全く思わない派なんだけれど、この人と同じ血を引いていることは少しだけうれしい。

 

 

これを書きながら、ふと思い立ち、数年越しの勇気を出した。

 

 

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この人から何を学んだんや、もっと良い言い方なかったんかいとしか言えない。

 

 

さあて、大人になったことだし、ふるさと納税の返礼品の贈り先をハトコのお家にするぞ。

都会っぽいものがいいって言われたんだけど、なんそれ。

 

 

 

 

 

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後日談というか今回のオチ

 

 

まだ一週間も経っていない。エリートリーマンもびっくりのしごはや振りである。

 

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